研修旅行記 in France


 

 フランス パリ研修旅行 H21.2 山本 勝貴  
   
   アラブ世界研究所 Institute Du monde arabe   
   
 [1987年 ジャン・ヌーヴェル+Architecture-studio パリ5Quai Saint Bernard通り]
アラブ諸国の情報発信とアラブ世界の文化、精神世界を研究するための研究機関でありアラブ諸国とフランスとの相互理解と文化交流を目的に造られた建物で、ジャン・ヌーヴェルが一躍脚光を浴びた作品でもあります。
  
 
   
北側のファサードは、セーヌ河に沿って緩やかな曲線になっており、ルーバーを使用して曲線を強調していて、柔らかな印象を受けました。北側とは対照的に、南側のファサードは広場に向かって凹凸のない直線で表現され、エントランスを抜けると見えてくるガラスパネルの巨大な一枚壁に圧倒されました。
ガラスパネルにはカメラの絞りに似た機械が設置されていて、開閉することにより採光を自動調整できるようになっています。内側から見てみると、ブラインド内蔵サッシのようにペアガラスの中空層に機械が設置されていて、開いているものと閉まっているものがあり、機械的でありながらステンドグラスを思わせる柔らかな光りを感じました。模様はアラブの建築に見られるマシュラビーヤという飾り窓をモチーフにしているそうです。 
 
   
 建物の内部は博物館や図書館、資料センター、レストランなどで構成されています。あいにく見ることが出来ませんでしたが、私達と同じようにアラブ文化を目的にというよりは建物を目的に来る観光客が多いようです。

ガイドさんお勧めの屋上テラスからは、ノートルダム寺院や新凱旋門、ポンピドゥーセンター、サクレクール寺院などパリの主要な建物が一望できお得な気分になりました。 

   

    
    ケ・ブランリー美術館 Musee du quai Branly
    
    [2006年 ジャン・ヌーベル パリ7Quai Branly通り]
 この美術館は、もともと原始美術に興味を持っていた当時のパリ市長のジャック・シラクがアフリカ美術もルーブル美術館にと提唱していた人物と会い意気投合し、シラクが大統領になった際に在任中の代表的な文化プロジェクトとして建設された建物です。中には、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカの固有の文明・文化・芸術を扱っており、収蔵品は30万点に及ぶそうです。
     
    
    ジャン・ヌーヴェルが建物を設計し、池や起伏のある庭園はジル・クレモン、植物が植えられた外壁はパトリック・ブランが設計しています。
 建物は、褐色をベースに赤、黄、白といったアクセントを加えたアフリカ民族を思わせる色使いで、外壁には大小数々の箱が突き出し変化を持たせていました。また、生きた壁と呼ばれる植物が植えられた外壁は、ガラスのスクリーンのバーチャルな世界とは対照的に、生命を感じさせるリアルな世界が広がっており、両者が横に並び一つの作品になっていることに感動を覚えました。
 今回は残念ながら中には入れませんでしたが、次に訪れたときには建物内はもちろん、エッフェル塔からも見てみたいと思います。
 
       
      


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