研修旅行記 in France


 

サヴォア邸
竣工:1931年
                                                          内海 真希
                                                            

・パリの郊外ポワッシーの小高い丘の上にある
 近代建築の住宅
・パリに住むサヴォア夫妻の週末用住宅として
 1928年に設計がスタートする
・コルビュジェの主張した
 「近代建築の5原則」のすべてを
 パーフェクトに表現している建物である
「近代建築の5原則」
1 ピロティ(支柱)
  ・・・建物が空中に浮く様な表現が可能に
     なる
2 屋上庭園
  ・・・屋上に庭園を設置することにより、
     家の中の温度、湿度調節に寄与
3 自由な平面
  ・・・鉄筋コンクリートの技術がより自由な
     設計を可能にする
4 水平に続く連続窓
  ・・・室内が明るく開放的になる
5 自由な立面(ファサード)
  ・・・支柱が壁から独立することで、
    建物の外観を構成する主要な
立面を自由に設計することが
     可能となる(カーテンウォール)






  ・第2次世界大戦の時、ドイツ軍に
   接収されたのち連合軍の倉庫として
   使用され、半ば廃虚となってしまう。
  ・1959年には隣接する高校の校舎
   建設の計画に伴って取り壊されるところ
   だったが、世界的な反対運動に動かされた
   フランス政府が買い取って文化財指定を
   行い改修をし、現在はコルビジェ財団が
   管理をしている。



  リビング
  「LC4」は本来、ジャンヌレ邸のために
  デザインされたと言われている




  コンクリートは温度差による膨張収縮が
  大きく、ひび割れが生じやすいが
  屋上庭園を造ることで、夏の暑さや
  冬の寒さの影響を緩和する





   控え目な入口を入り、木立の中を抜けて行くと
   緑の芝生のほぼ中央に白いキューブがフワァっと
   浮かびあがった。
   空と建物と緑の色のコントラストがとても美しい。




  建物を支柱によって高い位置で支え
   確保した空間「ピロティ」
   1階の柱は4.75mピッチで立ち並ぶ
   サヴォア邸ではこの「ピロティ」を
   車寄せとして使用していた。
   なだらかな曲面は当時の自動車の
   最少半径に合わせて設計されている








  リビングからは「屋上庭園」が見渡せる。
  大きな開口になっており引き戸をあけると
  屋上庭園へとつながる













   「自由な平面」
   玄関ホールに現れるらせん階段とスロープ
   柱と床で骨組みを構成する
   ドミノシステムのため
   壁の影響を考えずに自由な
   間取りを構成できる
   



   シンプルで機能的な造りつけの家具が
   数多く見られる
   柱の巾木、ちょっとごついね・・・



    「自由な立面」
    外壁周囲を取り囲む壁を切り抜いた
    大胆な立面    
    景色を切り取るフレームとなる
   
コロンとしたドアノブはコルビジェ
デザインによる
細部にまで拘ったデティールに
感服




   サヴォア邸夫妻の寝室にある浴室
   天窓から明るい光が差し込む
   長椅子のフォルムが美しい





    機能的かつデザインあふれる照明器具

  鮮やかなブルーのタイル貼り





天窓の納まり

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