スイス学生会館
                                                    新名 秀樹                                          
                                                         











ル・コルビュジェ1932年の設計の学生寮である。国際大学都市内にありル・コルビュジェ設計では、もう一つブラジル学生会館がある。立面では、サッシュのガラス面を前面に出しており、ユニテ・ダビタシオンに見られる様なバルコニーを介してのコンクリートによる格子による表現とは、違ってより設計年度は古いにもかかわらず、現代建築と似通ったものになっているように思われる。

1階をピロティで持ち上げている為、自由に通り抜けることができる。コンクリート製のテーブルが設けられており、コルビュジェ建築を見学してみて共通して感じたことだが、大きい建築の設計に際しても、造り付け家具の詳細な設計が見られる。このコンクリートのテーブルもとても魅力的で、良い状態を保っていた。 

 




















 










内部に入ると楕円の柱に階段が取り付き密度の濃いロビー、階段室の空間がある。柱の図面印刷による化粧は、後世の演出か?集会用の部屋と思われる部屋には、コルビュジェ自身によると思われる壁画が描かれている。建築や家具に比べると評価が低いように思われる画家としてのコルビュジェだが、自身の手がけた建築において、建築、家具、絵画(装飾?)と全てに渡って関わろうとする態度には、作家としての表現欲の純粋さ、いさぎよさ、を感じた。
 学生が使用するであろう個室に入ると、質素ではあるが、使い勝手の良さそうな造り付け家具がレイアウトされており、学習生活に集中できる様子を想像できる。


Report topに戻る


 SEIWA ARCHITECT OFFICE
               一級建築士事務所  ㈱清和設計事務所